2008年2月8日金曜日

五輪代表 ブラジルは観光 アルゼンチンは大勝

南米2強の北京へ向けた実質的なスタートと思われた2月6日の試合は対照的な結果になった。
“チェチョ”バチスタ監督初采配となる、ロサンジェルスで行われたアルゼンチン対グアテマラ戦(監督は“ボリージョ”ゴメス)で、アルゼンチンは、リケルメ、マスケラーノ、デ ミケリスを含む五輪代表で5-0の大勝。相手は力不足とはいえ、五輪連覇へ向け確実な一歩を記した。一方、ダブリンで行われたアイルランド戦のブラジル代表は、カカ、パト、ルシオなどケガ人続出の影響もあり、五輪組みはベンチを暖めるのみで、この試合に何の意味があったのかと疑問が残る試合となった。
この疑問に対して、ドゥンガは、「五輪組にとって、ブラジル代表との紅白戦は試合だ。」とテストしなかったことを正当化。今回召集した五輪年代は11人。先発はジエゴのみで交代出場で、すでにテスト済みのアンデルソン、ルーカス、ソビスが入っただけだった。
さらに、ドゥンガに対しては、サンパウロの各紙が、ボボー(23:ベシクタシュ トルコ)を追加召集したに疑問を投げかけている。
FW不足に悩んでいるブラジル代表だが、去年のアフォンソに続いて、五輪世代だからといっていくらなんでもボボーの召集とは、というのだ。ボボー本人も驚く今回の召集でドゥンガはピヴォへ固執していることが明らかになったが、果たしてフィジカルだけのCFタイプの選手は代表に必要なのか、と疑問を投げかけている。ブラジル代表では伝統的にエリア内にどっしり構えるセンターフォワードタイプは成功していない、という理由もあるが、ボボーの場合、コリンチャンス時代の印象があまりにも悪いためだ。186cm85kgというフィジカルを生かして07年トルコの最優秀FWに選ばれたが(89試合44得点)、コリンチャンス時代は、点が取れないことで最悪の評価だった。(63試合5得点)これに対して、ドゥンガは「見ていない人も多いだろうが、私は世界中のサッカーを観ている。」と語って反論している。
フル代表も含め、五輪采配が決まっているドゥンガだが、前任者たちの2の舞になるかもしれない。(ザガロもルッシャも大きなケガを負った。)
*ドゥンガが「観ている」というのは今年のチャンピオンズリーグ。
 ベシクタシュはH以外では得点することもできず、2勝4敗でグループA敗退、
 ボボーは2得点。(Hでのリバプール、マルセイユ戦)
*次のテスト機会は3月26日のスウェーデン戦。あとは7月下旬に五輪2週間前に召集して の合宿のみとなる可能性大。(今日、親善試合の追加日程をFIFAが協議)
*アルゼンチンで注目は、エスクデロの右サイドバック起用。(従兄弟の浦和のエスクデロは どうしてる?)アルゼンチンのサイドバックのタレント不足はかなり深刻。
 ジーコがアレックスをSBで起用したのと同じ?

2008年2月5日火曜日

リベルタドーレス杯で日本人2人目の得点者 澤選手

海外組はヨーロッパだけじゃない。ペルーで3年目を迎えた今年、強豪シエンシアー
ノに移籍した澤 昌克選手(25)が、1月31日に行われたリベルタドーレス杯予備予選ウルグアイのワンダラーズとのファーストレグの試合でゴールをあげ1-0の勝利に貢献、ヒーローになった。
 翌日の地元紙には、「ラスト インカ」「日出る」など写真入りで大きく取り上げられた。リベルタドーレス杯での日本人選手の得点は、広山選手に続いて2人目。
澤 昌克選手は、千葉の中央学院高校を卒業後、2001年からリーベルのユースに在籍。05年にペルーに渡り、スポルティング クリスタル、コロネル ボロネージでプレー。スピードと運動量を武器に、コパ スダメリカーナで得点を挙げるなど、着実にペルー国内で認められる存在になっていった。去年は古豪ムニシパルの中心選手としてプレー。クラウスーラでは、チームは12クラブ中11位だったが澤選手はチーム最多の6得点(21試合出場:4位タイ)と活躍。今年、インカ帝国の都、標高3400mのクスコに本拠を置く強豪シエンシアーノに移籍、確実にステップアップしている。


インタビュー(エル ボコン紙)
Q:多くの人がペルーへの帰化を望んでいるが。
S:帰化しないというのは、よく考えて出した結論だ。日本大使館で確認したけど、
  ペルー国籍を取ったら日本国籍を捨てなければならないんだ。
  そうはしたくなかったからね。(日本では二重国籍は認められない。)
Q:シエンシアーノではリーグ優勝が期待されているが。
S:クスコの人たちは厳しいからね。勝つだけでなく大勝しないと納得しないから大変だよ。
Q:将来的には、リマのビッグクラブ移籍ということかな。
S:ペルーでは、ここシエンシアーノの後にはもう上はないと思うよ。
  目標はヨーロッパに行くことだ。できればスペインにね。

メモ
*去年12月、ペルー協会関係者から帰化の打診を受け拒否している。
*1983年1月12日生まれ 25歳 173cm 70kg。
*鹿島が7月に獲得?と噂も上っている。
*リベルタ日本人初得点はセロ ポルテーニョ時代の広山選手(7試合2点)

本戦に勝ちあがればフラメンゴ、ナシオナル、ボロネージと同組になるが高地という大きな武器があるから、上位2位に入るのも夢ではないかも。楽しみです。

が、ボロネージ時代の試合を中継しましたが、そのときは正直言って、スピードはあるし
運動量もペルー選手のなかでは目立つが、ペルー代表に声ががかるほどうまくはない、
という印象だったんだけどな。でもシエンシアーノはペルー国内では今は強豪ですから
そこで先発で出てるんだから進歩してるんだろうな。
フラメンゴ戦ならG+で放送もありえるかも?しれないので楽しみです。

2008年1月31日木曜日

ブラジル 国外移籍でGDPの4,8%

ブラジルの国内総生産が世界10位を確保できたのは、サッカー選手の輸出のおかげ!

もう去年の9月の段階で、2007年のブラジルの国外への選手移籍は1000人の大台を超えて史上最多となることはブラジルでは報道されていたし、実際11月の段階でCBFの登録部のデータで1000人を超えたことが確認され、あるサッカー番組の中ですでに紹介した。

CBF登録部のデータは11月18日以降更新されていないが(年末からカルナバウの2月上旬まで事実上休暇状態なんだろう)、1085選手が07年に国外移籍している。その数字自体は新しいものではないが、今回話題として取り上げたのは、スペインのAS紙でその総額がブラジルの国内総生産(GDP)の4,8%にあたるという報じていたからだ。
その移籍総額は170億ユーロ(約2兆7200億円)にのぼり、韓国を抑えてブラジルが世界10位の地位を確保できたのは、サッカー選手の国外輸出のおかげだというのだ。
“ブラジルは世界のカンテラで、今やブラジルの伝統的なイメージであるカフェやカルナバウを凌駕している”と論評している。

ブラジルは12月は実質的にオフ期間で選手の移籍も多く行われる月のひとつ。したがって本当の数字は1085よりはかなり多くなると思われるが、登録数なので、CBFのお休みの状態では登録数も増えない、ということもあり、おそらくこの数字が2007年度のブラジルからの国外移籍選手数として残るもの可能性が高い。実はこの国外移籍の数にはブラジルでプレーしていた外国籍選手も含まれているので、”ブラジル人”というのは正確ではないが、その数は多くて数十人程度なので、1000人を超えていることは間違いない。

ちなみに国別での移籍先は以下の通り。
1位:ポルトガル 227人 2位:日本 57人 3位:イタリア 47人
4位:ドイツ 44人 5位:スペイン 38人 6位:香港 31人
7位:中国 27人 8位:インドネシア 21人:パラグアイ 21人
10位:クロアチア 20人:ベトナム 20人:
その他アフリカ、旧ソ連の国などもう世界中にブラジル人選手がいない国はないほど。
当然、各国の1部リーグだけでなくアマチュアリーグみたいなところにも行っている。

ここ数年800人程度で推移してきた国外移籍数。でもなぜ去年大幅に増えたのだろうか?
ブラジルの経済は好調で、通貨レアルもドルに対して高くなっており、毎年通貨価値は上がって、選手のサラリーもドル換算なら増えている。そのため数年前まではあまり多くなかった
南米各国からブラジルでプレーしたいという選手が増えている。それなのにブラジルから
多くの選手移籍したのはなぜ?
思うに、一言で言えばサッカーのグローバル化がいっそう進んでいるからだろう。
そして若い選手の多くがこれまで以上に移籍しているからと思われる。
ペレ法施行以降、500程度だった数が800程度へと増えてきた経緯があるが
今回は世界各国であらたなリーグやクラブが増え、選手の需要が世界的に増えたことが
大きな原因だと思われる。
当然、ブラジル人選手にたいする評価が高いことも前提だが、他の文化への適応能力も
他の国選手に比べ優れていると思う。帰化にも抵抗感は少ないし。

ちなみにASでは、今季の欧州のカップ戦へのブラジル人の登録数が99名で、これは
今週から始まったリベルタドーレス杯に登録されているブラジル人選手より多い
と指摘している。2位はフランス人64名、3位イタリアが55名とのこと。以下スペイン53人、ポルトガル41人、ドイツ38人、そしてアルゼンチンが32人。
  * ちなみにGDP9位がスペイン、11位が韓国。

今日はこの辺で。

2008年1月29日火曜日

あいさつ 願いを込めて

ブラジル、アルゼンチンを中心に南米や中米を含めラテンアメリカのサッカーに関する話題を書いていきます。毎週1,2回は更新していく予定です。
情報に関しては、ほとんど現地新聞、雑誌なので、日本のメディアでは取り上げられることのないマニアックな話題も多くなるかもしれません。そんな話題を通して南米サッカーのおもしろさや熱さを感じてもらえれば幸いです。そしてひとりでも多くの南米サッカーファンが増えればうれしい限りです。

ところで、
日本は、欧州各国に比べ、世界のサッカーを見る上ではかなり恵まれている国だということを
皆さんは知っていましたか?スペインなどでも自分の国のリーグとプレミア以外ははあまり放送されていないのが現実です。
でも、こと南米のサッカー放送に関しては、毎年、先細りの状態。今観れるのは、CS放送の
G+でコパ リベルタドーレスとコパ スダメリカーナ。TBS CSチャンネルの南米予選のブラジルホームゲーム、そしてCSのブラジルのグローボ インテルナショナウでのブラジル国内の州選手権とブラジル選手権だけです。(ほかにあったら教えてください)
試合のダイジェストなどならYouTubeなどでも観る事はできますが、中継とはやはり違います。
こんな今日この頃ですが、以前のように少なくとも南米予選全試合を観れるようになってほしいものです。

そんな願いを込めてこのブログを始めたいと思います。